シカよけ:特急に「特殊スカート」

JR東海殿が実施している「特殊スカート」の記事をまとめてみました。

当社は、衝撃緩和装置には関与していません。

シカよけ:JR東海が衝突対策 特急に「特殊スカート」

JR東海は18日、シカとの衝突対策のため開発した「特殊スカート」を報道陣に公開した。車のバンパーのような形状で、シカを軌道外に押しのけて死骸巻き込みを防ぎ、事故処理時間の短縮を図る。19日から紀勢線の特急「ワイドビュー南紀」に投入される。
スカートは幅2.4メートル、高さ70センチ。素材に断熱や梱包(こんぽう)に使われるスポンジ状ゴムを採用した。装着角度が重要だが「特許申請中なので数値は非公表」(広報)。開発・製作費は4両分で1000万円。09年2月に検討を始め、数日間の試験走行で8件の衝突事案があったが、巻き込みは1件だけだった。

shika-skirt

 

毎日新聞 2012年05月19日 00時13分(最終更新 05月19日 00時47分)より

 

------ その後 2014 ------

2012年から2013年11月のワイドビュー南紀とシカの衝突は140件。
衝撃緩和装置を設置した車両との衝突は75件、非設置車両との衝突は65件だった。
シカとの衝突による遅延時間の平均は、15.1分となり、設置車両の方が約3分短かくなった。
今後も衝撃緩和装置の設置車両を増やす方針 (データは、http://response.jp/category/railway/ より引用)

私の考え:事故処理の時間短縮で効果が出ていますが、それ以上にシカの個体数増加による事故件数が増えています。結果、累積遅延時間は増加しているため、改善の余地があると思います。

 

増加する列車と鹿の衝突事故、JR東海が開発した緩和装置が巻き込み防止に効果

山間部を走る列車と鹿との衝突事故が相次いでいることに対応し、JR東海が開発した衝突緩和装置が効果を上げている。(中略)特急列車6編成に装着しており、製作費用は合計で約2500万円。効果が顕著だったため、今回の装置を改良し、26年度から新たに投入する計画の普通列車(ディーゼル車)26編成にも順次搭載する計画だ。鹿との衝突防止に向け、同社はこれまでに約2億2千万円をかけて、衝突が多い路線に総延長24キロの柵を設けたり、鹿が嫌うライオンなど猛獣のフンや尿を線路にまいたりしてきたが、いずれも目立った効果はなかったという。

産経WESTより抜粋  http://www.sankei.com/west/news/140107/wst1401070079-n1.html

 

------ その後 2015 ------

鹿バンパーの特許公報(登録日2015.11.6)から技術内容を追跡しました。

  • 発明の名称:多層構造跳ね飛ばし衝撃緩和装置
  • 特許番号:特許5832268
  • 発明のポイント:硬さの異なる少なくとも2種類の緩衝を車体上下方向に配置
    上部の緩衝材11は相対的に軟らかい緩衝材(例えば軟質のスポンジゴムなど)
    下部の緩衝材12は相対的には硬い緩衝材(例えば硬質のスポンジゴムなど)

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私の考え:このバンパーを自動車用に改良して、死亡事故の軽減に応用すれば良いと思います。

------ その後 2016 ------

新型ディーゼルカーは人、そして鹿にも優し

国鉄型ディーゼルカーの全車引退について、JR東海は「より一層、安全性とサービスを向上させるため」としています。引退したキハ40系の替わりにJR東海が導入した新型のキハ25形ディーゼルカー(2次車)は、(・中略・)、鹿と衝突した際に致命傷を与えず線路外へ押し出す「鹿衝撃緩和装置」の搭載、(・中略・)などが特徴の車両です。

山間部を走る鉄道路線では鹿との衝突による遅延、車両の破損などが問題になっており、各地の鉄道会社で線路にライオンのフン成分を撒く、鹿検知装置を設けるといった対策が行われてきました。 JR東海が2012年から行った「鹿衝撃緩和装置」のテストでは、「鹿を線路外へ押しのける割合が、非設置車両と比較して約13%高い」「運転再開までに要する時間が、非設置車両と比較して平均約3分短い」「30分以上の遅延が1件のみ(非設置車両では6件発生)」という効果が出ています。

 gooニュース>トレンド 2016.3.25 14:50 より抜粋

 

 

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衝撃緩和装置 = 鹿スカート = 特殊スカート