鉄道電気技術賞を受賞

平成29年6月13日東京都千代田区ホテルメトロポリタンにて一般社団法人日本鉄道電気技術協会様より鉄道電気技術賞をいただきました。件名は、獣類と列車との衝突事故を回避し、鉄道の安全・安定輸送と野生動物との共存を実現した「シカ(鹿)踏切システム」の開発です。共同受賞した近畿日本鉄道(株)様、(株)京三製作所様、(株)トーキンシステム様、と関係各位様に感謝申し上げます。
会場で、近畿日本鉄道(株)様各位様と久しぶりに面会でき、その中で「シカ踏切」の無事故が393日継続しているとの情報を頂き、受賞に花を添えて頂きました。

賞状       鉄道と電気技術

今回の表彰に至った研究開発は、鉄道と電気技術2017年6月号のテクニカルフォーラム優秀賞の「汎用技術を応用した新しい仕組みの獣害対策」に掲載されました。近畿日本鉄道様の過去12年間の接触事故推移や対策内容、新しい仕組みと効果検証、実証確認などが記されています。汎用技術であるユーソニックの効果検証からシカ踏切に進展させて、シカ踏切のシステムとの有効性を確認することにより、「鉄道の安全」を築き上げる内容となっています。

鉄道事業分野では、鹿や猪と車両の衝突を回避し、定刻に人や物資を輸送する技術の一つとして成果がでました。一方、農業研究分野では、「音による獣害対策は数週間で慣れが発生し効果が無い」が定説になっています。今回のシカ踏切は393日無事故が継続したので慣れは無いと言えます。線路は食糧が無いので農地と異なるといった意見も出るかも知れません。しかし、午前1時までに線路を横断した鹿が午前2時を境に戻ってくる結果(※1)は、鹿が餌を求めて防護柵の開口部を通行するパターンに類似しています。鹿が生きるために食糧を求めて線路を横断するのではないかと考えるようになりました。「鉄道と電気技術」に鹿の行動が記載されています。誌面5ページの制限があり濃縮された内容です。

※1:近鉄様テクニカルフォーラム発表より